林道郎ゼミ
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林道郎ゼミ
絵画は二度死ぬ、あるいは死なない

絵画に託された/照らされた思考や問題は、意外と広く深い射程をもっている。モダニズムにおける他ジャンルとの比較から導き出された本質主義的な絵画観は、その一つの可能性にすぎない。ジャンルとかミディアムという以前に、絵画は、もっと原理的な次元で人間の感覚や想像力や思考のモデルとしての可能性を包み込んでいるように見える。ことに、「絵画は死んだ」というセリフが繰返された60年代以降の「絵画」の歴史の中で、ますます、そのような原理的な可能性が「死なない絵画」を通じて剥き出しにされているように感じられる。その「死なない絵画」についての言葉を構築するために多くの批評家や思想家たちが模索を繰返してきた。そういった言葉の蓄積を踏まえながら、その傍らに新たな言葉を置いてみる。そういう作業を通して、ゆるやかながら、わたしたちにとっての絵画問題への漸近線を引くことができるのではないか。   毎回、特定の作家やグループの仕事とそれについての言説を具体的にとりあげながら、進んでいきたいと思っている。そして願わくは、一方通行のレクチャーではなく、開かれた対話の場になればいいと思う。 (林 道郎)


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